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猫のくしゃみ<後編>
〜猫のストレスを減らす受診の方法〜

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前編でお伝えしたくしゃみを起こす感染症や予防に続いて、
後編では動物病院を受診するべきくしゃみの見分け方や、
二次感染を防ぐ来院の工夫など紹介します。
飼い主さんが自宅でできる健康チェックの方法も知っておきましょう。

監修の先生東山 哲 獣医師(ひがしやま動物病院)

公益社団法人東京都獣医師会杉並支部理事/JSFM ねこ医学会副会長/猫感染症研究会所属
2006年に東京都杉並区でひがしやま動物病院を開院。動物と人への愛情をもって、予防獣医学の推進、最新医療の提供、わかりやすいインフォームドコンセント、ペットのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を掲げる。

ライター:金子 志緒

INDEX

そのくしゃみ、
動物病院を受診するべき?

猫がくしゃみをしたときは、病気と生理現象のどちらか見分けることが大切です。
猫のくしゃみ 前編 〜猫のくしゃみの原因〜」で紹介した病気のくしゃみの特徴をもとに見分けるポイントをまとめました。

1つでも当てはまったら病気の可能性大!

  • くしゃみが何日も続いている
  • 特定の時期だけくしゃみがたくさん出る
  • 透明な鼻水が出ている
  • 黄色や緑色の鼻水が出ている
  • ピンク色の鼻水が出ている
  • 鼻血が出ている
  • 目やにがついている
  • 目が腫れている
  • 白目が赤くなっている
  • 口の中を気にしている
  • 食欲がない
  • 元気がない

猫大掃除をしたあとに数回くしゃみをした程度なら生理現象かもしれませんが、何日も続く場合は受診のサインと考えましょう。

動物病院の受診前には猫の写真と
くしゃみの動画を撮って相談する

くしゃみや鼻水などの異変に気づいたら、動物病院へ行く前に記録をとっておくと診察のときに役立ちます。鼻水の色や目やにの状態がわかる写真、くしゃみとせきを区別できる動画などを撮っておき、混合ワクチンを接種した日にちも確認しましょう。
猫を連れて動物病院へ行くのが難しい場合、飼い主さんだけ来院し、これらの記録を獣医師に見せて相談することもできます。薬を処方することはできませんが、受診の前に相談の段階を踏むのも一つの方法です。
ただし、症状が重い場合はなるべく早く動物病院を連れて行くこと。つらい症状や病気の早期発見・早期治療を心がけて猫の健康を守りましょう。

猫のストレスを減らす
動物病院へ連れて行く前の
準備

受診前に動物病院へ連絡を

猫になるべく怖い思いをさせなければストレスを最小限に抑えられます。事前に動物病院に連絡して診察の予約をし、待ち時間を減らしましょう。予約を受け付けていない場合でも、待ち時間や犬の患者の有無を聞くことはできます。キャット・フレンドリー・クリニックのサイトを参考にするのも一つの方法です。

JSFM(キャット・フレンドリー・クリニック)
https://www.jsfm-catfriendly.com/index.html

キャリーには布などでカバーをかける

出かけるときは猫がくつろげるキャリーケースの中に、隠れられるくらいの大きいふかふかの毛布を入れてあげましょう。キャリーケースには外が見えないようにカバーをかけ、家から動物病院まで景色が変わらないようにするのポイント。
動物病院はいろいろな動物が集まるので、診察室以外の場所ではカバーをかけたままにして二次感染を防ぎましょう。

自宅でできる健康チェックで
愛猫の健康を守ろう

目の表面を覆って眼球を保護する働きをする「瞬膜(第三眼瞼)」

愛猫の普段の状態を知っておけば、小さな異変を見逃すことなく病気の早期発見ができます。顔をや体をみたり触ったりする健康チェックを習慣にしましょう。
目をチェックをするときは、瞳孔などの見える部分だけでなく、「あっかんべー」をさせて白目の状態も確認を。まばたきをするときに目の左右から出る瞬膜も、無理のない範囲でチェックできればベストです。

新たに猫を迎える場合は、自宅へ連れ帰る前に健康診断を兼ねて動物病院へ連れていきましょう。特に外で保護した猫はウイルスや寄生虫に感染されている可能性が高く、自宅へ連れ帰ると生活環境にこれらが入り込んでしまいます。猫パルボウイルスのように環境の中で数年ほど生きる種類もあり、根絶するのが大変。病原菌は入り込ませないことが最も重要です。

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