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気になるあのニオイの原因は!?
愛犬と快適に暮らすための消臭対策

もしかして、うちって犬臭い!? 匂ってる!?
いつも一緒に暮らしている飼い主さんにとっては、「なんとなく“におう”かな?」くらいでも、
いざ、お客様を迎える時などに、「部屋が“臭い”」と思われないかと心配になるものです。
体臭、口臭、トイレなど、愛犬との暮らしで気になるニオイの原因と、
消臭対策についてご紹介します。

監修山本 泰生(ユニ・チャーム株式会社)

ペットケア開発本部トイレタリー開発部
犬排泄商品(ペット用おむつ、介護ケア商品)担当

監修高木 智世(ユニ・チャーム株式会社)

ペットケア開発本部トイレタリー開発部
猫排泄商品担当

INDEX

犬臭さの正体は「体臭」。
定期的なシャンプーで清潔に

俗に「犬臭さ」と言われる犬のニオイの原因として、まず挙げられるのが犬の体臭です。
「犬は人のように汗をかかない」と言われる理由は、人では全身に存在し、さらさらの汗を出す「エクリン腺」という汗腺が犬には肉球と鼻先にわずかしかないからです。その代わり犬には、人では脇の下や乳輪など特定の部分にしかない「アポクリン腺」が全身にあります。つまり、犬は人の「脇汗」のようなじっとりとした汗を全身でかいているということ。アポクリン腺は脂腺と直結しているため、ここから出る汗と皮脂が酸化し、雑菌が繁殖することで体臭が発生します。ちなみに、猫も同様に全身にアポクリン腺がありますが、舐めて毛づくろい(グルーミング)をすることで、自らニオイを抑えているのです。

体臭の予防のために、健康なワンちゃんでも月に一度くらいを目安にシャンプーをして体を清潔に保ちましょう。シャンプー後に濡れたままにすると、汚れや雑菌がつきやすくなるので、自然乾燥ではなく、ドライヤーでしっかり乾かしてください。次回のシャンプーまでの間には、ウェットタオルなどで体を拭くのも良いでしょう。食べかすがつきやすい顔の周りや、お尻の周りはこまめに拭きましょう。毎日のブラッシングも、抜け毛や皮膚の汚れを落とす効果があります。
また、夏は皮膚炎が多くなる季節でもありますし、垂れ耳の場合は蒸れて外耳炎になり、耳からニオイがすることもあります。体臭が強く感じたり、いつもと違うニオイがする場合には、動物病院に相談してください。

3歳以上の成犬8割が歯周病もしくは歯周病予備軍と云われている

犬のニオイでは「口臭」が気になるという飼い主さんも多いのではないでしょうか?
口臭の主な原因は、歯垢や歯石がたまることで起こる歯肉炎や歯周病で、アニコム パフェによる調べでは、関東の動物病院23件の「歯科健診」を受診した780頭のうち、76.3%に歯垢の沈着・歯石が見つかり、年齢別の集計では、3歳以上の犬の80%以上に歯垢の沈着・歯石が確認され、飼い主が気付いていない歯周病の予備軍が多いことが分かりました(※)。犬は歯の構造上、人よりも歯垢がつきやすく、食べかすは食後数時間で歯垢となり、3〜5日で歯石になります。
歯周病を予防して口臭を防ぐためには、歯みがきを習慣にして、口内環境を清潔に保つことが大切です。

慣れていないと初めのうちは歯みがきを嫌がるワンちゃんも多いので、段階を踏んで少しずつ慣らしていくとよいでしょう。すでに歯石がたくさん付いていたり、歯周病にかかっている場合は、動物病院で歯石を取り除く処置や治療を受けましょう。
また、口の中がきれいでも、内臓の病気に関連して口臭が強く感じられることもありますので、口臭が気になるときには動物病院で相談してください。

  • アニコム パフェ調べ
    2009年7月〜12月に関東の動物病院23件で「歯科健診」を受診した780頭の結果を集計

トイレは
「したらすぐに片付ける」が
基本

ウンチやオシッコなどの排泄物やトイレ周りも、室内のニオイの原因になります。
トイレのニオイを軽減させるには、言うまでもなく、「したらすぐに片付ける」が基本です。ウンチをしたら速やかに取り除き、オシッコをしたトイレシートも臭う前に交換しましょう。シートにオシッコをしていると認識した途端に、ニオイが気になり始めると言う人もいるようです。すぐに交換ができない忙しい方は、消臭効果のあるシートや、排泄物との相性がいい香りがする芳香消臭シートなどもありますので、試してみるのもいいでしょう。
トイレシートを交換するときは、シートだけでなく、トイレの周りも抗菌タイプのウェットティッシュで拭くなど、しっかり掃除しましょう。オシッコのニオイは壁や床などにしみ込みやすいので、足を上げてオシッコをしてしまう場合には、壁をガードするタイプのトレーやシートを使用したり、愛犬にマナーウェアを着けるなどの対策を。壁や床にオシッコが付いてしまった時には、速やかに水拭きした後に消臭スプレーをかけます。
使用済みのペットシートなどをゴミ収集日まで保管する場合は、ふた付きのゴミ箱の中に、1回ずつ小袋に入れて密封することでニオイが押さえられます。最近では、防臭効果のある袋も市販されています。

フードの食べ残しにも注意。
オモチャなども時には洗って

その他、フードの食べ残しも、出しっ放しにしておくとニオイが部屋中に拡散します。特にウェットフードは傷みやすさの点からも放置は禁物です。食べ残しは速やかに片付け、食べ終わった後の食器もその都度洗ってきれいにしましょう。
ニオイ対策には掃除も欠かせません。オシッコを踏んだ足でワンちゃんが部屋中を歩き回って、ニオイを広げている可能性もありますし、体臭が染み付いた抜け毛がたまっているとニオイの原因になりますので、こまめに掃除機をかけ、拭き掃除もしっかり行いましょう。
また、案外見落としがちなのが、オモチャやお気に入りのタオルなどの犬グッズ。口臭の強い口で加えたオモチャや、体臭がしみこんだタオルなどからニオイが発生している場合もあるので、定期的に洗いましょう。
部屋を漂うニオイが気になるときには消臭スプレーも効果的ですが、使用する場合には、ワンちゃんが舐めても安心なものなど、ペットに配慮したものを選んでください。

夏に特にニオイを強く感じる理由

ところで、どうして夏になるとニオイが強く感じられるのでしょうか?
それは、高温多湿になると、空気中にニオイの分子が増えるためにニオイを感じやすくなり、さらに雑菌が増殖しやすく不快なニオイの発生自体も増えるからです。トイレや食べ残しからも雑菌が発生しやすくなり、ニオイの分子も空気中に拡散されて、他の季節以上にニオイが強くなるというわけです。
さらに、いつも鼻先が湿っている犬の嗅覚が敏感なように、鼻の粘膜が適度に湿っているとニオイを感じやすくなります。
部屋にニオイをこもらせないためには、換気と通風が重要です。夏だけでなく、部屋をしめきりがちになる冬も換気をしましょう。トイレも風通しがよくて換気しやすく、ワンちゃんが落ち着いて利用できる場所に置くのが理想的。空気清浄機などを活用するのもよいでしょう。
消臭対策をしっかり行って、愛犬と飼い主さん、双方にとっての快適空間を整えましょう!