子猫の時期から
始める
歯みがき習慣

3歳以上の猫の8割が歯周病予備軍といわれています。歯周病は口の中のトラブルだけじゃなく血流を介して他の病気まで引き起こしてしまう怖い病気です。予防には毎日の歯みがきが一番の方法です。受け入れやすい子猫のうちから馴れる練習を始めましょう。

ステップ1
歯みがき上手になるコツは
顔周りの歯ブラシブラッシング

もともと歯みがきの習慣のない猫に、歯みがき上手になってもらうには、まず歯みがきを嫌いにさせないことが重要なポイントです。初めは歯ブラシを使った「歯ブラシブラッシング」から始めましょう。歯ブラシでなでられた時の感触は、子猫にとって母猫の舌で舐められた時の感触によく似ています。子猫が気持ちよく眠っているときに、顎や口の周り頭部などの顔周りを歯ブラシでなでて、歯ブラシを好きになってもらいましょう。

ステップ2
じゃれ始めたら一旦ストップ
ウトウトリラックスしてる時に
もう一度チャレンジを

歯ブラシブラッシング中に子猫が歯ブラシを噛みそうになったら、一旦歯ブラシを隠し中断しましょう。歯ブラシをおもちゃとして噛みグセがついてしまうと、今後の歯みがき練習がうまくできません。もしも歯ブラシを噛み始めたら、たっぷり遊び、また疲れてウトウトし始めた時にもう一度チャレンジしましょう。

ステップ3
歯ブラシブラッシングに
馴れたら
もう片方の手で唇をめくる

歯ブラシブラッシングに馴れてきたら、もう片方の手で口元や顎のあたりをやさしくなでて触る練習をしましょう。嫌がられないようであれば、その延長でそっと口角を歯の根本が見えるまで持ち上げてすぐに戻します。この時に、子猫が舐められる形状のおいしいご褒美を準備しておくとより早く馴れてもらうために効果的です。与えている間に歯を見る練習を繰り返し、唇をめくられることに抵抗がなくなったら、唇をめくってからご褒美として与える順番に変えます。

ステップ4
歯と歯茎の間に
そっと歯ブラシを当てる

唇をめくられることに慣れてきたら次のステップ。歯に当てる歯ブラシは、犬・猫専用のやわらかく小さな歯ブラシに変えておきます。唇をそっとめくり、歯ブラシブラッシングの延長で歯ブラシを歯と歯茎の間にそっと当て、すぐに顔周りのブラッシングに戻ります。この時にも、舐められるオヤツをご褒美として与えるとより効果的です。これを繰り返しながら少しずつ歯と歯茎の間に歯ブラシを当てる時間を延ばしていきましょう。

短時間の練習を根気よく
穏やかな気持ちで続けましょう

飼い主さんが意気込んで取り掛かろうとすると、つい力んでしまったり緊張が子猫に伝わってしまうことがあります。嫌がる原因にもなるので、飼い主さんも穏やかな気持ちで行いましょう。また、練習は子猫が嫌がるまで続けてはいけません。短時間の練習を根気よく続けましょう。

内田 恵子 獣医師
監修
内田 恵子 獣医師

元ACプラザ苅谷動物病院統括院長。JAHA内科認定医、JAHAこいぬこねこの教育アドバイザー。小動物臨床に35年間従事した後、現在ペットの動物病院でのストレスを軽減し、問題行動を作らない技量を広めるため活動中。