子猫を拾って
自宅で一時的に
保護するときの
ポイント

子猫を保護したら、できる限りその日のうちに動物病院で健康チェックを受けることが理想的ですが、夜遅くに保護した場合やどうしてもすぐに動物病院に連れていけない場合は、翌日、動物病院に連れて行くまで自宅でしっかりケアを行いましょう。

子猫の年齢を確認しよう

ミルクか離乳食か、排泄が自力でできるかなど、子ねこの年齢(週齢)によって必要となるケアは異なります。子ねこの姿やようすからおおよその年齢を予測することが大切。生後3週くらいまでは授乳と排泄のケアが必要です。

  • 2〜3日齢

    体重は100〜150g程度でまだへその緒がついている。目もまだ開いていない。

  • 1週齢

    目が開き始めるがまだあまり見えていない。
    目の前で手やモノを動かして、目で追うかどうか確認してみるとわかりやすい。

    性別の判断がつくようになる。

  • 2週齢

    動くものを目で追う。耳の穴が開いて音が聞こえている。子猫から少し離れた所で音を鳴らし、その方向を向くか確認してみよう。

  • 3〜4週齢

    よちよち歩きができる。乳歯が生え始め、自力で排泄できる。足取りがしっかりしていて、自力で排泄できている場合は、生後3週齢以上だと考えられる。

  • 5〜7週齢

    乳歯が26本、生えそろっている。口を開けて、乳歯がどのくらい生えているかを確認してみよう。

室内に保護スペースを確保する

子猫が部屋の中を自由に動き回らないように、ダンボール箱やキャリーバッグなどに入れて行動を制限します。子猫がカビ・ノミ・ダニの寄生や感染症にかかっているおそれもあるので、先住猫がいる場合には接触させないように部屋を分けて隔離しましょう。

室内に保護スペースを確保する

とりあえず必要なものを揃える

寝床となるダンボール箱やキャリーバッグ、タオル、自力で排泄できる年齢ならばトイレ、フードや飲み水とその容器が必要です。離乳前なら子猫用ミルクも必要ですが、夜間で入手できないときは、一時的な代用として温めた牛乳を冷ましてから与えます。

とりあえず必要なものを揃える

保温管理はとても重要

子猫は生後1カ月頃まで体温調節がうまくできません。ダンボール箱などにタオルを敷き、タオルでつつんだ湯たんぽやペットボトルにお湯を入れたものなどを入れて温めます。箱の上にタオルをかけると落ち着きます。また、子猫が寄り添えるぬいぐるみなどを入れるのもおすすめです。

保温管理はとても重要

人とのふれあいもなるべく控える

カビやノミ・ダニの寄生、人にもうつる感染症にかかっている可能性もあります。動物病院で健康チェックを受けるまでは必要以上のふれあいは控え、もしもさわるときには使い捨ての手袋を着用しましょう。また子猫と接触したあとにはしっかり手を洗い、使用したタオルも破棄しましょう。抵抗力の弱い子どもや高齢者は感染のリスクが高いので特に注意してください。

人とのふれあいもなるべく控える
内田 恵子 獣医師
監修
内田 恵子 獣医師

元ACプラザ苅谷動物病院統括院長。JAHA内科認定医、JAHAこいぬこねこの教育アドバイザー。小動物臨床に35年間従事した後、現在ペットの動物病院でのストレスを軽減し、問題行動を作らない技量を広めるため活動中。