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CAT DOG 食欲が落ちやすい
夏のフード対策<後編>

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夏の暑い時期、「いつものように食べてくれない」「ちょっと食べて残してしまう」など、
ワンちゃんネコちゃんも夏バテによって食欲が落ちることがあります。
そんな食欲が落ちやすい時期のフード対策を前編・後編で紹介します。

監修迫田 順哉
(ユニ・チャーム株式会社)

ペットケア開発本部マネージャー
日本ペット栄養学会 編集委員。ペットフード協会 技術委員会 作業部会 安全性部会を経て、栄養基準研究会メンバー。犬猫のペットフードの設計や開発活動を行いながら、学会誌への解説記事の投稿やペット栄養管理士講義等の学術啓蒙活動を行っている。代表的な登録特許に猫の吐き戻し軽減技術などがある。

INDEX

犬猫に与えてはいけない食材・避けた方がよい食材とは

トッピングやスープなど人用の食材を用いて与えたい場合、人には身近な食材であっても、ワンちゃんやネコちゃんには健康に悪影響を及ぼすこともあるのでよく調べて与えるようにしましょう。いくつか代表的な与えてはいけない食材・避けた方がよい食材を紹介します。

犬・猫に与えてはいけない食材

食材 理由
ネギ属 タマネギ、ネギ、ニンニク、ニラなどがネギ属に当たり、ハインツ小体性貧血を引き起こす可能性があります。タマネギは体重1kgあたり猫で5g程度、犬では15~30g程度で毒性があります[1][2][3][4][5]。注意点は人の食事や食材の味付けにタマネギやニンニクが多く使用されていることです。ドレッシングやソース、お菓子の味付け、出汁、ベビーフードなどにも含まれ旨味が強いので、犬猫が好んで口にしようとする可能性があります。
チョコレートやココア カカオ豆に含まれるテオブロミンやカフェインという成分が、イヌでは代謝するのに非常に時間がかかり毒性を生じます[6]。特にワンちゃんは甘い物が大好きなので必ず食べられない場所に保管するようにしましょう。
アルコール 体重1kgあたり5.5mlという少量でも強い毒性を持つため与えてはいけません。発酵度の高いパン生地のような食品でも急性毒性が報告されています[6]
ブドウやレーズン 犬にとって未知の毒性物質が含まれており、ブドウの場合で体重1kgあたり32g、レーズンの場合で体重1kgあたり11~30gで腎臓に対し毒性を持つと言われ[6][7]、特に皮の毒性が高いとされています。
鶏の骨 鶏の骨は噛み砕いた際、縦に裂けるため、飲み込むときに喉に刺さったり、飲み込んだ後に消化器官を傷つける可能性があります。
キシリトール 人に比べ吸収が早く、インスリン分泌を促す作用が強いため低血糖を起こします[8][9][10][11]。ガム以外にも人用のオヤツや缶詰、飲料などにも配合されていることもあるため注意が必要です。猫に対する中毒報告は無いようですが、2017年時点では不明な点も多いので避けた方が良いでしょう。

猫に与えてはいけない食材

食材 理由
ドッグフード 犬用のセミモイストフード、ソフトドライフード、オヤツなどに保湿目的として使用されることのあるプロピレングリコールは0.5%程度でも猫にとっては毒性があるとされており[12]、ペットフード安全法でも使用が禁止されています。また、総合栄養食基準も犬と猫で異なりドッグフードでは必須栄養素の所要量を満たせないのでプロピレングリコールを含んでいなくても主食にしてはいけません。

犬・猫に与えるのを避けた方がよい食材

食材 理由
生の魚介類や甲殻類 チアミン(ビタミンB1)を分解してしまうチアミナーゼを含んでおり、長期摂取するとビタミンB1欠乏症を起こす可能性があります。
アボカド 実や葉に含まれるペルシンという物質に毒性があるとされており、アボカドの品種によってペルシン含量の差もあるようですが、2017年時点では不明な点も多いので避けた方が良いでしょう[6]
マカデミアナッツ 生でも加熱でも未知の毒性物質を含むとされており、毒性が生じる量は個体差が大きいため避けた方が良いでしょう[6]
レバー ビタミンAやDが豊富ですが、総合栄養食のペットフードには十分量が含まれており、ペットフード以外で与えると上限を超えてしまう事があります。
ほうれん草 結石の原因となるシュウ酸を非常に多く含みます。下茹でしても犬猫にとっては非常に多い量のシュウ酸が残るので、多量の摂取は避けた方が良い食材です。
コーヒーや緑茶 カフェインを多く含むため、犬猫に積極的に与えない方が良いでしょう。ペットフードに使用されることのある緑茶抽出エキスは、通常カフェイン含量が低く規格化された物が使用されているのではないかと思います。
香辛料 刺激物であるため避けた方が良い食材です。
牛乳 ごく初期の子犬子猫を除いて、乳糖を分解する酵素の活性が落ちていくため下痢などを起こしてしまう可能性があります。ミルクを与えたい場合は、ペット用を与えましょう。
生肉 食中毒を起こす可能性があるため、積極的に与えるのは避けましょう。
ミネラルウォーター 特に硬水はマグネシウム含量なども高く、猫のストルバイト尿石の発生につながる可能性があります。ミネラルは総合栄養食で調整されているのでミネラル摂取過多にもつながります。同様にミネラルのサプリメントなども避けた方が良いでしょう。
卵白 アビジンというタンパク質が含まれ、これがビオチンと強く結合してしまうことでビオチン欠乏症を引き起こす可能性があります。充分な加熱が必要です。
塩分の高い物 煮干し、干物、人用のハムやソーセージなどが代表的です。製品にトッピングされた物は量を考慮されている物が多いですが、追加でオヤツとして与えると塩分摂取過多につながるため与えすぎには注意が必要です。またハムのような加工食品にはリン酸塩が使われていることが多く、与えすぎるとカルシウム・リンバランスを崩す可能性もあるため特に子犬では避けた方が良い食材です。
ビタミン・ミネラルなどのサプリメント 総合栄養食に追加することで過剰摂取につながる場合があるため、使用には注意が必要です。

犬に与えるのを避けた方がよい食材

食材 理由
キャットフード 製品によっては、タンパク質や脂質の摂取過多になる可能性があるため、主食として与えるのは避けた方が良いです。タンパク質の摂取過多は、個体差はありますが不安や攻撃性につながる可能性があります[13][14]

夏のフードの保存方法について

夏場、痛みやすいからとペットフードを冷蔵庫で保存したり、フードを冷やしてから与える事は、デンプンが老化してしまい消化不良を起こしやすくなるため、あまり積極的にはおすすめしません。また反対に、高温になる場所にペットフードを保管している場合は、油脂の酸化が進みワンちゃんネコちゃんが口をつけない場合も考えられます。開封後冷蔵保存が指示されている製品は、カビが生えてしまう可能性があるため冷蔵すべきですが、そうではないフードは基本的に高温多湿を避けて常温保管が好ましいです。開封後の保存方法に関する注意書きは、製品パッケージに記載されているので必ず目を通すようにしましょう。

夏場は特に痛みやすいので
置き餌はやめましょう

お皿は置きっぱなしにせず時間を決めて与え、食べきればお皿を下げるのが理想的です。
水分含量が高いウェットフードは水分摂取の観点からは良いことですが、お皿をそのままにしておくと虫が寄ってきたり、細菌が増えやすいので置きっぱなしにするのはやめましょう。夏場はドライフードであっても虫が寄って来やすいため衛生上好ましくありません。特に猫は少量ずつ何度も食べる動物であるため、自動給餌器などを用いて食べきれる量だけ回数を分けて与えるのも良いかもしれません。いつでも好きなだけ食べられる不断給餌にすることで尿pHが安定しやすくなるという説もありますが、避妊去勢後の食欲増加などによって肥満になりやすくなるため、給与量のコントロールを行うのが好ましいのではないかと思います。また、時間を決めてお皿を下げることで、いつ、どのくらいの量を食べたのか知ることができ、夏バテによる食欲不振の経過や、日頃の健康管理にも役立つと思います。

【参考文献】

  1. [1]Stallbaumer, M. 1981. Onion Poisoning in a Dog. Vet.Rec. 108:523-524.
  2. [2]Harvey, J. W. and D. Rackear, D. 1985. Experimental Onion-induced Hemolytic Anemia in Dogs. Vet. Pathol. 22:387-392.
  3. [3]Solter, P. and R. Scott. 1987. Onion Ingestion and Subsequent Heinz Body Anemia in a Dog: a Case Report. J. Am. Anim. Hosp. Assoc. 23:544-546.
  4. [4]Cope, R. B. 2005. Allium Species Poisoning in Dogs and Cats. Vet. Med. 562-566.
  5. [5]Yamato, O., E. Kasai, T. Katsura, S. Takahashi, T. Shiota, M. Tajima, M. Yamasaki and Y. Maede. 2005. Heinz Body Hemolytic Anemia with Accentrocytosis from Ingestion of Chinese Chive (Allium tuberosum) and Garlic (Allium Sativum) in a Dog. J. Am. Anim. Hosp. Assoc. 41:68-73.
  6. [6]Kovalkovicova, N., I. Sutiakova, J. Pistl and V. Suitak. 2009. Some Food Toxic for Pets. Interdiscip. Toxicol. 2:169-176.
  7. [7]Morrow, C. M., V. E. Valli and P. A. Vomer. 2005. Canine Renal Pathology Associated with Grape or Raisin Ingestion: 10 Cases. J. Vet. Diagn. Invest. 17:223-231.
  8. [8]Murphy, L. A. and A. E. Colema. 2012. Xylitol Toxicosis in Dogs. Vet. Clin. Am. Small. Anim. Pract. 42:307-312.
  9. [9]Kuzuya, T., Y. Kanazawa and K. Kosaka. 1966. Plasma Insulin Response to Intravenously Administered Xylitol in Dogs. Metabolism. 15:1149-1152.
  10. [10]Kuzuya, T. Y. Kanazawa and K. Kosaka. 1969. Stimulation of Insulin Secretion by Xylitol in Dogs. Endocrinology. 84:200-207.
  11. [11]Asano, T., B. Z. Greenberg. R. V. Wittmers and F. C. Goetz. 1977. Xylitol, a Partial Homologue at Alpha-D-Glucopyranose: Potent Stimulator of Insulin Release in Dogs. Endocrinology. 100:339-345.
  12. [12]Quast, J. F., C. G. Humiston, C. E. Wade, J. E. Beyer, R. R. Albee, D. J. Schuetz and D. C. Morden. 1979. Results of a Toxicology Study in Cats Fed Diets Containing Propylene Glycol for up to Three Months. Unpublished Report, The Dow Chemical Company. Midland, MI.
  13. [13]Dodman, N. H., I. Reisner, L. Shuster, W. Rand, U. A. Luescher, I. Robinson and K. A. Houpt. 1996. Effect of Dietary Protein Content on Behavior in Dogs. J. Am. Vet. Med. Assoc. 208:376-379.
  14. [14]DeNapoli, J. S., N. H. Dodman, L. Shuster, W. M. Rand and K. L. Gross. 2000. Effect of Dietary Protein Content and Tryptophan Supplementation on Dominance Aggression, Territorial Aggression, and Hyperactivity in Dogs. J. Am. Vet. Med. Assoc. 217:504-508.

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