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CAT 猫の健康診断
“キャットドック”を受けよう

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人間と同じく、猫の世界でも年々高齢化が進んでいます。これはうれしい反面、病気のリスクも増えることに。
特に猫は我慢強い性質をもつため、異変に気付くのは難しいとされています。
そこで今回は“キャットドック”の現場を密着。
健康に見える猫でも、シニア期を迎えたら、定期的なチェックをオススメします。

お話を伺った先生山田 一雄 獣医師
(山田犬猫病院)

神奈川県横浜市にある「山田犬猫病院」獣医師。横浜市内や長野県の動物病院にて勤務後、2004年に開業。“できることをちゃんとやる”をモットーに、一人一人の飼い主と犬猫に合った対処方法を提案。飼い主の話に、親身に耳を傾けてくれると評判。

ライター:田中 理恵

INDEX

キャットドックって、なぁに?

総合的な猫の健康診断のことを言います。
項目は病院によってさまざまですが、犬と同様で『触診』『尿や便の検査』『血液検査』『レントゲン』『超音波』が主な検査となります。多角的に体の状態を検査することで、病気の早期発見や早期治療につながり、気になる症状の原因を探ることもできます。ところが猫の場合は病院に行くこと自体、ストレスになることもあります。最近は猫が安心できるように、照明や待合室の環境を配慮したキャット・フレンドリー・クリニックという猫にやさしい動物病院があるので、そういった病院を受診するのもひとつの案です。

さぁ検査当日。どんなことをするの?

まず、検査をしたいと思ったら、かかりつけの動物病院に電話をし、事前に相談のうえで予約を入れます。
検査当日の朝だけは猫にごはんを与えず、キャリーケースなどに入れて病院へ連れて行きます。また、尿や便検査をする場合はあらかじめ採取キットを受け取り、検査直前の尿と便をとっておきます。『触診』『血液検査』『レントゲン』『超音波』の各検査そのものは短いもので2〜3分、長くても10分以内で終わりますが、精神的に負担をかけないように、休憩をはさみながら行います。そのため全体の所要時間は30分〜1時間ほどと考えて。また、病院によっては半日ほど病院に預けて検査をお任せする場合もあります。

触診

目や耳の状態、歯石や口内炎がないか、脇や首、ひざの関節など、リンパ節が腫れていないか、直接手で触れながら観察をします。目ヤニは結膜炎、口臭は腎臓病の疑いがあるので、細かくチェック。続いて聴診器を当て、心臓の音を聞きます。

尿検査

事前に採取した尿や便を渡します。膀胱や腎臓などの泌尿器系や糖尿病の疑いを調べます。猫の場合は特に、自宅で尿の採取をするのはなかなか難しいため、病院で採尿することもできます。

採血

結束バンドで血管を浮き上がらせてから、採血を開始。採った血液は専門機関に回され、器官系をみる「血液化学検査」と、血液中の細胞数をカウントする「完全血球計算」を行います。高齢の猫の場合、甲状腺機能亢進症など、ホルモンの働きに関する病気も発症しやすくなります。甲状腺の検査は、オプションで増やすことが可能です。猫の健康状態を見ながら獣医師と相談して決めましょう。検査結果は2日〜1週間後にわかります。

レントゲン

レントゲン室に入り、台にのせて胸部と腹部のレントゲン撮影をします。獣医師と看護師が体を固定し、あお向けと側面の2方向から撮影。撮影された写真をもとに、心臓や肺、腎臓、肝臓の位置、大きさ、異常がないかを確認。10歳を越えると関節炎や軟骨形成異常など、骨に関する症状も出やすいので、細かくチェックします。

超音波

最後は診察台であお向けになり、臓器の構造を確認します。方法はいくつかありますが、ここではアルコールで体毛を濡らして器具を皮膚に密着させて検査開始。腫瘍や内臓の肥大、水ぶくれなどの異常がないか調べます。なかでも猫は泌尿器系のトラブルが出やすくなるので、膀胱や腎臓もしっかり確認し、病気のリスクを探ります。

検査の結果を教えてもらおう

検査の密着をさせてもらったのは、15歳のオス、ジャガ君。「もともと尿結石を患っている猫ちゃんですが、それ以外の大きな異常は認められませんでした。老化現象の一つとして、レントゲンでは変形脊椎症の疑いが見られました」と山田先生。また約1週間後に出た血液検査の結果はどうだったのでしょう。
「基本の検査で特出した点はありませんでした。また、今回は猫の年齢が高齢であることも考慮して、甲状腺疾患の疑いをみるオプション検査も行いました。その結果、こちらも今のところ問題はありませんでしたが、猫は老化とともに異常な代謝を起こす甲状腺機能亢進症になりやすくなるので、今後も定期的な健診をおすすめします」とのことでした。当初、猫にとって検査はストレスになるのではとの不安をよそに、実際はスムーズに進行し、負担も最小限でした。外見からはわからない多くの情報を得ることができる“キャットドック”は、一度受けてみる価値がありそうです。

山田先生からのメッセージ

これからも一緒に、健やかに

猫はとても我慢強い生き物で、毎日一緒にいる飼い主でさえ病気に気づくことは難しいものです。また、犬のトリミングや爪切りのように、気軽に病院を訪れる機会も多くありません。だからこそ、定期的に“キャットドック”を受けることは、病気の早期発見や早期治療ができる、有効な手段だと思います。それだけではなく、飼い主さんが日頃の猫との暮らしに関する疑問や相談を獣医師にすることができる、いい機会にもなります。猫ちゃんの状態を飼い主さんが把握することで、わずかな体調の変化を予測することができるなど、“気づき”を生むきっかけにもなるようです。費用は病院によってもさまざまですが、一連の検査をして25,000円前後が目安となっています。これからも先も猫ちゃんに健康でいてもらうために、ぜひ検討してみてはいかがでしょう?

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