トップ > ウェブマガジン ペットと、ずっと。 > 愛犬を「生活習慣病」にさせないためには

DOG 愛犬を「生活習慣病」に
させないためには

いつもと同じような生活をしているはずなのに「少し様子が違う」と思ったことはありませんか?そんなちょっとした気づきが、愛犬を病気の危険から救うことにつながります。そんな愛犬の日々の違いを見つける秘訣とは?

お話を伺った先生村田 香織 獣医師
(もみの木動物病院)

兵庫県神戸市にある「もみの木動物病院」の獣医師。犬や猫の攻撃行動、無駄吠え、不適切な排泄などといった問題行動の治療やしつけを専門に活躍中。飼い主とペットが楽しく幸せに暮らすための教育を、こころのワクチンとして執筆・講演活動を通じ多方面に取り組む。
著書に『こころのワクチン』『パピーケアスタッフBOOK』など。

INDEX

ほっとくと怖い生活習慣病

肥満を放置しているとどうなるのでしょう?

肥満の状態のまま高齢になると、関節、靭帯、椎間板を痛めやすくなり歩けなくなる可能性がでてきます。さらに、体重が増えるということは、普段から重たい脂肪を担いで生活することになり、心臓などの臓器に負担がかかります。それにより寿命が短くなり、死亡の危険も高くなります。元気に過ごしていて、今のところ目立った症状がなくても、肥満の状態が続いているなら、水面下で生活習慣病が進行しているかもしれません。
ペットは不調があった時、ひとりで病院へは行けないし、話すこともできません。飼い主さんの気づきと観察力が重要になってきます。

飼い主の観察力と、
きちんと伝えることが、
早期の病気発見に

もしも愛犬が生活習慣病かもしれないと感じたら、どうすれば良いのでしょうか?

生活習慣病に関わらず、何か病気の症状が見られたら、なるべく早く動物病院で獣医師の診察を受けることが大切です。その時に大切なのは、気になる症状やいつもと違うところが愛犬にないか、細かくチェックしておき、かかりつけの獣医師へ伝えることです。愛犬の日々の違いを見つける秘訣は、毎日の観察と記録です。
例えば、自宅でワンちゃんに咳の症状が出ていても、診察中に咳をしなければ、獣医師は気づくことができません。それまでにどんな咳をどれぐらいの頻度でしていたかなど、伝えるようにしましょう。気になることがあったら、いつ、どこで、どんな感じだったのかなどメモをしておき、獣医師に相談してください。
言葉での説明が難しい時は、携帯電話などで愛犬の症状を動画撮影して、それを獣医師に見てもらうのも伝わりやすいと思います。大切なのは、愛犬の健康な時の状態を知っておくことです。その状態と比べて、どうなのかを生活の中でチェックしておきましょう。

気を付けたい症状と可能性がある病気には、どんなものがあるのでしょうか?

食欲があるかどうか。元気があるかどうか、おう吐の有無、便の状態、尿の匂いなど、症状にはいろいろあります。気を付けたい症状とその症状から疑われる疾患にはこのようなものがあります。

主な症状 疑われる疾患
「呼吸がおかしい」
「咳をする」
呼吸器系の疾患
「散歩に行きたがらない」
「歩き方がおかしい」
「足を引きずる」
関節疾患
「口臭がある」 歯周病
「大量に水を飲む」
「排尿量が多い」
腎臓疾患
「尿の匂い」 膀胱炎
「おう吐」「下痢・軟便」
「血便」
消化器系の疾患
「しこり」 腫瘍
「痙攣」 てんかん
「震え」や「悲鳴」 痛みを伴う疾患

症状から疑われる病気があったとしても、ひとつの症状だけで判断することはなく、必要に合わせて血液検査や尿検査、エコー、レントゲン、心電図、病理検査などを行って、犬の病気を診断します。治療方法も、そのワンちゃんの体質や進行状態によっても異なります。そのあたりは、受診された動物病院とよく相談して決めてください。ただし、どんな病気も悪化してから治療するより、初期で発見できれば、それだけ早く対処ができるので、治る可能性も高くなります。

飼い主の管理で左右される生活習慣病。
メリハリある生活を心がけて

愛犬が生活習慣病にならないために、飼い主が心掛ける予防策はありますか?

予防として有効なのがワンちゃんの頭とカラダを使う刺激のある生活です。犬は人間のように、自分でレストランへ行って注文したり、冷蔵庫を開けて好きなものを食べたりはできません。すべて飼い主経由で食べているので、食べ物の管理を飼い主さんがしっかりすることが大切です。
ただし、「食べる楽しみ」を取り上げるのではなく、食べ物だけに固執しないよう日常生活を楽しめるように工夫することが必要です。ドッグフードを与える方法も、犬の狩猟本能を刺激する疑似ハンティングのような運動を取り入れるといいでしょう。

例えば、フードを玄関や洗面所、廊下、ソファーの後ろなど、いつも与えていない場所に置き、「サーチ」の合図でワンちゃんに探させて、見つけた報酬として食べられるようにする宝探しゲームなどはいかかがでしょう。これは犬の脳と嗅覚を使い、家の中を動くのでカラダも使います。また、どちらかの手にフードを隠して、両方の手をワンちゃんに匂わせ、当たったら与えるゲームも飼い主さんとのコミュニケーションにもなりおすすめです。
さらに運動不足は、ストレスや問題行動の原因になるので気をつけてください。年齢や個体差もありますが、ワンちゃんには朝夕2回30分以上の有酸素運動をさせるのが理想です。お散歩だけでなく、疑似ハンティングである飼い主さんが投げたボールをワンちゃんが咥えて持ってくるレトリーブ遊びや、じゃらし遊びなどを取り入れるのも良いでしょう。

まずは、今の生活を見直しながら、セルフチェックをしてみましょう。

お問い合わせ・よくあるご質問

ページトップへ