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DOG 犬の生活習慣病とは

愛犬には、ずっと健康でいてほしい…。飼い主の気持ちとは裏腹に、愛犬を生活習慣病の予備軍にしているかも?
そのままにしておくと、さまざまな病気を引き起こす可能性の高い「生活習慣病」について、専門家にお聞きしました。

お話を伺った先生村田 香織 獣医師
(もみの木動物病院)

兵庫県神戸市にある「もみの木動物病院」の獣医師。犬や猫の攻撃行動、無駄吠え、不適切な排泄などといった問題行動の治療やしつけを専門に活躍中。飼い主とペットが楽しく幸せに暮らすための教育を、こころのワクチンとして執筆・講演活動を通じ多方面に取り組む。
著書に『こころのワクチン』『パピーケアスタッフBOOK』など。

INDEX

毎日の暮らしの積み重ねで
「生活習慣病」は発症する!?

「生活習慣病」はどのようにしてなるのでしょうか?

「生活習慣病」とは、毎日の生活習慣の積み重ねで発症する病気。ワンちゃんの食生活や運動習慣、日頃のケアを意識している家庭では、それほど心配することはありません。しかし、飼い主さんの「大丈夫だろう。」を続けていると、気が付かないうちに「生活習慣病」の予備軍になっている可能性があります。今回は、そんな「犬の生活習慣病」についてお話ししましょう。
犬の疾患は、遺伝的な素因が関わっている場合も多く、「生活習慣病」との確実な線引きはなかなかできませんが、心臓病、関節疾患、歯周病、腫瘍は、犬にも多く見られる病気です。しかし、肥満や歯周病が原因で進行する病気は、飼い主さんの正しい管理や生活の工夫で防ぐことができます。

食生活、運動習慣、ストレスが
病気の発症や進行に関わっている!?

なぜ「生活習慣病」は、増加傾向と言われているのでしょうか?

人間の医療ほどではないにしろ、動物医療も発展し、ワクチンなどで防げる病気も増えました。そのため、以前にくらべ長寿になっている傾向があります。それに伴い、年齢と共に発症数が増える疾患は、すべて増加傾向と言えます。生活習慣で起こる病気は、外見での変化では気づかないうちに進行し、シニアのはじまりである7歳ぐらいから症状として表れる傾向があると考えてください。
「家庭どうぶつ白書2015」(アニコム)によると、循環器疾患、肝・胆道疾患、泌尿器疾患、眼の疾患、腫瘍疾患、歯・口腔疾患、呼吸器疾患、筋骨格系疾患などが高齢になるほど増加傾向にあります。
出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2015』

犬の「生活習慣病」の原因として考えられるものは?

人間の場合は、不適切な食生活、運動不足、ストレス過剰、睡眠不足、喫煙、飲酒などが、生活習慣病の発症・進行に深く関わっているとされていますが、犬の場合も食生活や運動などの日々の習慣が関係しています。
運動不足や日頃の刺激不足などによる慢性的なストレスは、免疫力を下げるため、生活習慣病に関わらずあらゆる病気の原因になる可能性があります。
カラダを動かしてストレスを発散する機会が少ないワンちゃんは、特にストレス要因が蓄積されていく傾向があるので注意が必要です。

「ご褒美のつもりだった!」つい与えてしまったおやつで生活習慣病が増えている

いつものフード以外にご褒美と思って過剰に与えてしまうと、どんな影響があるのでしょうか?

食べ物の与え過ぎは、カロリーオーバーになり犬の肥満を引き起こします。総合栄養食のドッグフードは栄養バランスに優れているので、それをメインに適正量を与えましょう。問題になるのは「人間の食べ物」を与える場合です。人間の食べ物は、塩分や脂肪を含んでいるものが多くなっています。
例えば、ハムやソーセージ、かまぼこ、チーズ、煮干し、アイスクリームなど、ワンちゃんが好むものがたくさんあります。ひとクチぐらいなら大丈夫だと思いがちですが、実は体重3kgのワンちゃんにとっての、ひとクチサイズの食べ物1個は、体重60kgの人間に換算すると20個与えていることになります。それを毎日続けていたら、塩分もカロリーもオーバーしてしまいます。塩分が多い食事は、心臓病や腎臓病にも影響しますし、カロリーオーバーは様々な生活習慣病を引き起こす肥満の原因にもなります。手作り食を与える場合も、栄養バランスを考えて適正量を与えましょう。

運動は体重維持や
ストレス発散のためにも大事

運動習慣が原因でどんな病気を発症する可能性があるのでしょうか?

運動不足は、肥満の原因にもなり、それに伴う多くの病気の可能性が出てきます。例えば、関節疾患や心臓病、呼吸器疾患の悪化、そして糖尿病などを発症する危険も高くなります。
さらに犬の運動不足は、問題行動を引き起こす原因にもなり得るので注意が必要です。例えば、攻撃性が高まったり、犬同士でケンカをしたり、ストレスによって同じ動作を反復してしまう「常同障害」がみられる場合もあります。家の中で家具をかじるなど、困ったイタズラをするのも運動不足が原因になっていることもあります。運動不足で犬が慢性的なストレスを感じていると、免疫力低下で他の病気も発症しやすくなります。運動させ過ぎの場合は、関節疾患や心臓病の悪化などが考えられます。
毎日の適度な運動は、ストレス発散や運動不足の解消となり、「生活習慣病」の予防方法のひとつと言えるでしょう。

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